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毛球症かも

 

 春から夏、秋から冬にかけては気温差が大きくなる時期となります。動物にとって気温差は体調を崩す大きな要因の1つです。ちょうどこの時期にうさぎが体調を崩したかもというお問い合わせも増えてきます。もし、ご自宅のうさぎさんが体調不良を起こした時、当店に連絡がつかなかった場合に備えてこのブログを作成しました。困った時にぜひご活用下さい。

 

 この時期に一番多い体調不良は毛球症です。うさぎは自分の身体を舐めて綺麗にしています。季節の変わり目である5~6月は冬の毛から夏の毛に生え変わる大換毛のシーズンです。この時にブラッシングを疎かにしてしまうと、飲み込んだ毛がお腹に溜まって排出できなくなり、毛球症という病気を発症します。

 

 毛球症の症状は

 食欲低下。苦しそうに丸くなり動かない。うんちが小さく毛で繋がっている。耳が冷たい。これらの条件が2つくらい揃った場合、それは毛球症である場合が高いです。特に食欲低下とうんちの具合が分かりやすいサインだと思います。

 

 毛球症の予防法は

1 牧草主体の食生活。牧草主体の食生活では、食物繊維が多くとれ、腸内活動が活発になります。食物繊維が体内の毛の排出に貢献し、腸内活動が活発だと毛玉に負けないため、毛球症になる心配がありません。うさぎの健康は腸内環境と直結していると言われています。牧草主体の食生活は、毛球症の予防だけでなく、健康寿命にも大きく貢献してくれます。


2 うさんぽ。適度な運動を行うことで腸が刺激され、毛玉の排出に貢献します。ケージに入れっぱなしで運動を疎かにすると、腸の動きも穏やかになるため、毛が詰まりやすく排出しにくくなります。運動は体力向上だけでなくストレス軽減にも貢献し、QOLを高めますので必ず行ってあげて下さい。


3 ブラッシング。普段のうさぎのお手入れは、濡れ手で撫でる簡易的なブラッシングで大丈夫なのですが、大換毛のこの時期は、ラバーブラシやスリッカーなどでしっかりブラッシングすることが望ましいです。自然界のうさぎは換毛する毛が風で飛ばされたり、移動時に草木や土穴にこすれて取れますが、屋内にいるペットうさぎはそのような機会がないので、ブラッシングが必要です。愛情あるブラッシングはうさぎさんとのコミュニケーションにもなりますので、積極的に行ってあげて下さい。ブラッシングのし過ぎは綺麗な被毛を傷つけてしまいますので、注意が必要です。ブラッシングが難しい、ブラッシングの環境が整っていない場合は、ぜひ当店のブラッシングをご利用下さい。何千回と行ったプロの施術はブラッシング嫌いのうさぎさんにもストレスをかけません。安心してご利用いただけます。


 毛球症の処置について


 もっとも大切なことは保温です!生き物は体温調節にカロリーの8割を消費しています。寒い環境下では、体温を維持するために体力の大半を消費してしまうため、病気を治す体力が残りません。人も風邪などの病気になると免疫を高めるために体温が上昇します。布団に入って体を温め安静にすることは、病気を治療するもっとも効率的な治療行為です。うさぎに関しても同様で、体を温めてあげれば、自己免疫が上がり病気に打ち勝つ力が上昇します。温め方は毛布にくるんだり、うさぎ専用のヒーターを使用します。人用の電気ヒーターは暑すぎるので、10~20分に1度、バテていないか確認することと、なるべく離して使用するようにして下さい。耳が冷たいうちは体温が上がっていません。耳が温かくなっていれば保温の効果があると判断できます。早いと1時間くらいで良くなりますが、長いと2~3日くらい完治にかかる場合もあります。


 病院に行くと整腸剤や、食欲増進剤をもらうことが出来ますが、そもそも食べ物を食べてくれないので、投与すること自体が難しいです。強制給餌を進められますが、素人には難しく教えてくれる人がいないと自信を持って行えません。もし薬で病態が改善しても、飼育環境が改善されなければ、また毛球症になってしまいます。薬は治療の補助と捉え、環境の改善を第一に考えて下さい。


 当店でも毛球症になりやすいうさぎはいますが、保温でいつも改善しています。熱中症でない限り、保温で自己免疫を上げればたいていの病気には対応出来ます。困った時はまず保温を試して下さい。

 これから暑くなり夏バテも始まりますので、次回は保温処置で発生するリスクを記載します。ぜひご一読下さい。

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